伯樂雑記

政治やルールなどへの考えやぼやきを書きつけるブログです。

天皇と男性・女性差別とその地位と

時々聞く言説がある。「一般人男性は皇族になれない。だから皇室は男性差別なのだ」というものだ。男性しか天皇になれないことを、女性差別だとする主張への反論として用いられることがある。

書籍という形式で私が確認できたのは、宇山卓栄氏の『「王室」で読み解く世界史』ふわこういちろう氏の『古事記で謎解き ほんとにスゴイ! 日本』である。

問題とする事象の範囲が異なっているため、話が噛み合っていないと思われる。

「皇族女性が天皇になれない」ことの反論として「一般男性が皇族になれない」ことが挙げられている。

皇族女性と一般男性、天皇と皇族、対義語にもなっていないのである。

対比として持ち出すなら、皇族女性には皇族男性、男性天皇には女性天皇となるだろう。

一般男性が皇族になれる対象から排除されているというのなら、皇族女性が天皇になれる対象から排除されているともいえるだろう。

また、「一般女性が皇族になる」ことと、「皇族女性が天皇になる」ことを同質視することにも繋がりかねない。

規定上、天皇は皇族でない。その地位は皇族からも隔絶していなくてはならない。

天皇を一皇族にまで貶める言説であると私は考える。