伯樂雑記

政治やルールなどへの考えやぼやきを書きつけるブログです。

女系天皇とサザエさんについて

サザエさん」の、磯野家の系図を用いて女系天皇を認めてはならないとする画像がネット上に存在するが、論として成り立っていないと私は考える。以下にその理由を述べる。

何も、皇室を一般家庭で例えることを不敬などと言うつもりはない。しかし、例える方法として不適当だといえる。

その画像では、磯野波平天皇、磯野フネを皇后として、カツオを皇太子として、サザエが即位する場合はピンチヒッターであり、タラオが即位すると「磯野家の皇室は途絶え、フグ田王朝が始まる」と論じられているが、そもそも、皇室の人間に名字は存在しない。もし「名字なし」が名字に相当するものだとして、磯野朝からフグ田朝に王朝が交代するのだとしたら、それは王家の名字の変化を意味する。名字が変わらなければ(マスオが磯野姓になれば)王朝が交代したことにならないはずである。事実、オランダ王家は女系継承であっても家名はオラニエ=ナッサウ家である。イギリス王家は、エリザベス二世の次の代から家名がマウントバッテン=ウィンザー家となるが、王朝名はウィンザー朝のまま変わらないと発表されている。

もちろん、氏や姓を与えていた立場として、「天皇は名字を持たない」ことは維持すべきだと私は考える。しかし、「名字を持たない」ことと、女系であることは両立出来る。このことから女系天皇であっても皇室を続けることは出来るというのが私の結論である。