伯樂雑記

政治やルールなどへの考えやぼやきを書きつけるブログです。

フランスやスイスでの服装の制限について

スイスでは最近、公共の場での顔を覆う服装の禁止する法案が可決された。イスラーム教徒への嫌悪感から提案された法案にしか思えない。フランスでは前から同じような法律がある。

政教分離や女性の解放を理由としているらしいが、どうも的外れに思える。

服装に対しての政教分離が出来るのだろうか?極論を言うのなら、服を着ること自体を宗教と言うことも出来る。ファッションとの線引きはどうなるのだ?文明や文化には宗教性を完全に排することは不可能であると私は考える。フランスで尊重されがちな「表現の自由」に服装は該当しないのだろうか。ブルギニ(ムスリマ用の水着)もフランスでは禁止されているが、「肌を見せずに泳ぐ」ことは信教云々以前に認められてもいいと思うのだが.........。

もう一つと女性の解放という根拠についてだが、ムスリマの誰もが強制されて髪や肌を隠しているわけではないことは明白である。そもそも、「魅力的な女性という存在を男性の欲情から守る」ための教えであることは理解する必要があるだろう。

「また女の信仰者たちに言え、彼女らの目を伏せ、陰部を守るようにと。また、彼女らの装飾は外に現れたもの以外、表に現してはならない。」(日亜対訳クルアーン24章31節の1部より引用)

この「装飾」というものは、女性の美しく魅力的な部分のこととされる。(それが具体的にはどこを表すかは解釈が分かれる)

イスラームの教えをもとに考えられた服装を公共の場で禁じることは、一部の女性が自らを守るための服を着る権利の否定になるのではないのだろうか。

人が服装を選択する自由を不当に侵害すべきではなかろう。