歴史教科書について
歴史教科書の記述について、考えたことを述べるとする。
歴史教科書には、自虐史観と呼ばれる批判が寄せられることがある。「反省させるだけで自国に誇りが持てない」教科書であるとのことである。
また逆に、日本の罪を十分に記述していないという批判もある。太平洋戦争などにおける日本軍の行為の記述に関しての批判が多くを占める。
だが、誇りも反省も客観性を欠く情動であり、史料を読み解いて史実を探求することの障害にもなりえる。マルクス主義的唯物・進歩史観も、皇国史観も、イデオロギーに支配された概念であり、一定の枠組みに当てはめて事象を説明しようとする。そのため、その枠組みから外れた概念は歪さを伴って記述されることもある。皇国史観の下では、北条義時は後鳥羽上皇を流罪にした"逆賊"という主観的な判断をされた。
そのため、
①いつ何が起こったか
②なぜそれが起こったのか(諸説を併記)
③その根拠は何か
④出典
の4つを明記する形式にして、どのような受け取り方をするのかは各々に委ねることにすることが、歴史教科書のあり方として最も適切であると考える。